介護をする時には仕事として多くの高齢者に接する場合でも、家庭で自分や配偶者の親のケアをする場合でも共通して持つべき心構えがあります。QOLという言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。Quality of Lifeの略語で、生活の質と訳すことができます。高齢になるとだんだんと心身が衰えてしまい、もはや大きな改善を期待することはできなくなりがちです。その状況でもより良い形で生活していけるようになりたいという気持ちを汲み取り、そのために必要な対処をしていくのがQOLの基本的な考え方となります。
QOLの考え方に基づいて相手の生活をより良いものにするというスタンスで接するようにすると喜んでもらえるようになります。何をしたら良いかを考えるときにも、必ず相手の立場に立って考えるようにしましょう。わからない時は、まず相手に聞いてみること。可能な限り、希望や要望に応じることが大切です。本音を話してもらえるような関係作りをすることも重要なので、特に家族の場合には普段からよくコミュニケーションを取るようにしましょう。自分なりにこういう介護をするのがベストだと考えている人も多いのは確かです。しかし、それが相手にとってはベストではない場合もあるという認識を持つことが介護をする上では欠かせません。あくまで自分にとってのQOLではなく、相手にとってのQOLを高めることをするのが基本だと考えましょう。このような心構えがあれば相手からいつも感謝してもらえるようになります。